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令和2年(行ケ)第10139号 審決取消請求事件

原告 国立中央大学
被告 特許庁長官

大面積ペロブスカイト膜の製造方法,ペロブスカイト太陽電池モジュール,並びにその製造方法

【請求項1】導電基板に前駆体溶液を数十秒供給することによって,フィルムを形成するステップと,前記数十秒で形成された前記フィルムを逆溶剤に浸漬することによって,ペロブスカイト膜を形成するステップとを備え,前記ペロブスカイト膜を構成するペロブスカイトの一般式はABX3 で示され,前記前駆体溶液の溶質には少なくともA,B,及びXが含まれ,前記ペロブスカイト膜のペロブスカイト結晶は前記導電基板上に連続且つ均一に分布されるとともに,前記ペロブスカイト結晶の分布面積は25cm 2~10000cm2 であり,前記導電基板の面積は25cm2~10000cm 2 であることを特徴とする,大面積ペロブスカイト膜の製造方法。

原告は,相違点2に係る本件補正発明1の構成を「スロットダイコーティングしたフィルムを逆溶剤に浸漬すること」と認定すべきである旨主張する。しかしながら,前記第2の3のとおり,本件補正発明1に係る請求項1には,当該フィルムにつき「スロットダイコーティングした」などの限定はされていない・・・
原告は,スピンコーティングが大面積のペロブスカイト膜の製造には向かないことを前提として,本件補正発明1は,ペロブスカイト結晶の分布面積及び導電基板の面積(以下「本件面積」という。)が「25cm2 ~10000cm 2 」であるとの構成を有することから,このことを理由に,同発明の前駆体溶液のフィルムを「スロットダイコーティングしたフィルム」と限定して解釈すべきであると主張するところ・・・本件補正発明1は,これに係る請求項1の記載のとおり,本件面積が25cm2又はこれに近いものも含んでおり,必ずしも大面積のペロブスカイト膜を製造する方法のみに係るものということはできないから,同発明が本件面積に係る上記構成を有しているからといって,前駆体溶液のフィルムにつき,これを「スロットダイコーティングしたフィルム」と限定して解釈すべき根拠となるものではない。以上からすると,本件補正発明1における前駆体溶液のフィルムを「スロットダイコーティングしたフィルム」と限定して解釈することはできない。

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基本的なことであるが、主張はクレームの記載に基づく必要があるということが再確認される。「スロットダイコーティングしたフィルム」と限定して解釈すると主張するのであれば、このようなフィルムを特定する程度にクレームに数値又は文言を記載させる必要がある。

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