アフリカ特許制度(広域特許制度含む)、ARIPO、OAPI、Nigeria、South Africa、Madagascar、Angolaの特許制度情報

日本の特許庁よりアフリカ諸国における特許出願に係る特許制度や広域特許制度の情報が開示されている(例えば、日アフリカ)。日本の特許庁の情報に加えて、現地代理人等の情報をもとに、ARIPO、OAPI、Nigeria、South Africa、Madagascar、Angolaの特許取得の検討で基本的なポイントを補足した。

目次

ARIPO(African Regional Intellectual Property Organization)

ARIPO(African Regional Intellectual Property Organization)は、アフリカ広域知的財産機関と称される。主に英語圏のアフリカ諸国を構成国とし、22か国が集まって広域の知財協定を形成している。

加盟国(22か国):ボツワナ、カーボベルデ、ガーナ、ケニア、エスワティニ、レソト、リベリア、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、セーシェル、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、タンザニア、ガンビア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ

ARIPOHPより 青色が加盟国

本部:ジンバブエのハラレに設けられている。

PCT:利用可

PCT移行期限:31月

出願:加盟国を指定して一括で出願を行える。但し、モーリシャスとソマリアはまだ ARIPO 特許制度に加盟していないため、指定できるのは最大20か国(ジンバブエの代理人に確認)

言語:英語

代理人:ジンバブエの代理人が代理可能

明細書、請求の範囲、要約は別々の書面として提出が費用である。

図面には連続的なシート番号を付加する必要がある。

OAPI(African Intellectual Property Organization)

OAPI(African Intellectual Property Organization)は、アフリカ知的財産機関と称される。主にフランス語圏のアフリカ諸国を構成国とし、加盟国は17か国であり、広域の知財協定を形成している。

加盟国(17か国):ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コモロ連合、⾚道ギニア、ガボン、ギニアビサウ、ギニア、コートジボワール、マリ、モーリタニア、ニジェール、コンゴ共和国、セネガル、トーゴ、

本部:カメルーンのヤウンデに設けられている。

PCT:利用可

PCT移行期限:30月

出願:全加盟国に対する出願となる。個別の加盟国を指定した出願はできない。

言語:英語又はフランス語

代理人:カメルーンの代理人が代理可能

Madagascar

ARIPO及びOAPIの加盟国ではない。

PCT:利用可

PCT移行期限:確認要

言語:フランス語(マダガスカルの代理人に確認)

代理人:マダガスカルの代理人が代理可能

Nigeria

ARIPO及びOAPIの加盟国ではない。

PCT:利用可

PCT移行期限:30月

言語:英語

代理人:ナイジェリアの代理人が代理可能

South Africa

ARIPO及びOAPIの加盟国ではない。

PCT:利用可

PCT移行期限:31月(追加料金で34月)

言語:英語

代理人:南アフリカの代理人が代理可能

Angola

ARIPO及びOAPIの加盟国ではない。

PCT:利用可

PCT移行期限:30月

言語:ポルトガル語

代理人:アンゴラの代理人が代理可能

DRC(Democratic Republic of the Congo)

OAPIのCongoとDRC(Democratic Republic of the Congo)とは異なる点に注意が必要である。

DRC(Democratic Republic of the Congo)はPCTの加盟国ではなく、パリ条約の締約国である。従って、パリ条約に基づいた優先権主張の手続きを行う必要がある。

Official Feeはユーロベースで1,006

明細書、請求の範囲、要約はフランス語

まとめ

アフリカ諸国の特許制度について、最新の情報は限られているため、出願するにあたって必要な情報については現地代理人に確認することも重要です。諸外国においても法改正等により、規定が変わる可能性があります。日本代理人及び現地代理人のサポートにより 慎重に手続きを進めることが重要です。

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