平28(行ケ)10153号「バケツ」事件 審決取消請求事件

審決取消請求事件の前審の無効審決において、意匠登録の出願日より後の公知資料から出願日前の意匠の公知を推認した事案

第4 当審の判断 

2.無効理由1

中略

審判請求書には,本カタログは2014年1月に発行されたものである旨記載されているが,甲第4号証には発行日は記載されていない。

中略

 なお,甲第4号証の刊行物は,審判請求書の記載によれば,2014年1月に発行されたもので,すなわち,その記載は本件登録意匠の出願日(平成25年(2013年)11月28日)以後に発行されたものであるが,甲第4号証に表された製品名「omnioutil S/オムニウッティ S」(フタ付きバケット)223764(PK)のバケツの意匠は,甲第9号証(別紙第3参照)によれば,財団法人日本産業デザイン振興会主催の2010年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞対象一覧に掲載されていることが示されており,グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞製品は,遅くとも受賞年度中に公表されているものであることから,甲第4号証に現された「omnioutil S/オムニウッティ S」(フタ付きバケット)223764(PK)のバケツの意匠は,少なくとも平成23年(2011年)3月末には,公然知られたものであったことを推認することができる。

中略

 したがって,甲第4号証の八幡化成株式会社発行のカタログ「sceltevie」の第12頁及び第13頁にも掲載された製品名「omnioutil S/オムニウッティ S」(フタ付きバケット)223764(PK)の「バケツ」は,本件登録意匠の出願日である平成25年(2013年)11月28日より以前に公然と知られていた蓋然性は高いものであると認められる。

参考になる点

審決において、甲第4号証の刊行物は,審判請求書の記載によれば,2014年1月に発行されたもので,登録意匠の出願日(平成25年(2013年)11月28日)以後に発行されたと認定された。しかしながら、甲第4号証に現された意匠は、2010年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞していることが甲第4号証に示されていた。よって、出願日以後の公知資料である甲第4号証から、出願日前に意匠が公知になっていることが推認されるとした。このように、出願日以後の公知資料から、出願日前の意匠の公知が主張できる場合がある。

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