キャラクターを商標登録するために必要な作業工程のポイント解説

会社やお店のキャラクターやマスコット、新ビジネスのキャラクター、行政サービスのキャラクター、イベントのキャラクター、ご当地キャラクター、ゆるキャラ等、ビジネスでは多くのキャラクターが使われています。例えば、特許庁もコピー商品を購入しないという意識を浸透させるため「カワンゾちゃん」というキャラクタを作成しています。キャラクターは主に図形で構成され、ロゴのようにデザインされていることもあります。キャラクターを商標登録するために必要な作業工程のポイントを解説します。

目次

登録しようとするキャラクターと同一又は類似のキャラクタが商標登録されていないかを調査する

商標登録をしたいキャラクターや登録したい指定商品等(以下参照)が決まったら、登録しようとするキャラクターと同一又は類似のキャラクタが先行登録商標として他者により登録されていないかの調査を行います。自身が商標登録出願をした場合に、このような他者の先行登録商標があると、商標法第4条1項11号の規定により拒絶理由を受けてしまうからです。また、仮にこのような他者の先行登録商標がある場合には、自身の使用が他者の商標権を侵害する場合があります。他者の先行登録商標があるか否かの調査は重要となります。

独立行政法人工業所有権研修館の提供する特許情報プラットフォームJPLATPATで、ご自身で調査を行うことも理論的には可能です。しかしながら、キャラクタは図形に該当しますので、図形調査として、先行登録商標の図形と、ご自身のキャラクタの図形とを見比べて類否の可能性をチェックしていくことになります。専門家であっても、指定商品等の該当範囲の先行登録商標の図形を、全件目で見て確認することが原則です。もちろん両者の図形を見比べて、図形の類否判断を行う必要があります。従って、図形調査は文字調査と比べて調査の難易度が高くなります。

商標登録出願に係る商標を決定する

登録しようとするキャラクターにバリエーションがあったり、動きがあったりする場合等、どのようなキャラクタを商標登録するかを決定します。平面図形でキャラクターのデザインが決まっている場合には商標の決定の悩みは少なくなります。キャラクタが商標法第2条1項に規定する商標に該当するかや、商品について商標法第2条3項に規定する使用をするものであること等も確認が必要です。そもそも使用しないキャラクタを商標登録しても登録の意味がなくなってしまいます。

商標登録出願に係る指定商品を決定する

指定商品・指定役務の記載は、商標の権利範囲を定めるものとなるため大変重要です。特許庁HPの「商品・役務を指定する際の御注意」(URL:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shutugan/ryui/shitei_chui.html)にも「商標権が、商標(マーク)とそれを使用する商品・役務(サービス)との組合せから構成され、指定商品・指定役務が商標の権利範囲を定めるものとなる」と記載されています。

指定商品・指定役務の記載は、商標の権利範囲を定めるものであるからこそ、審査で法律の要件を満たしているかが厳格に審査されます。例えば、商標法第6条第2項(政令で定める商品・役務の区分に従って商品・役務を指定していること)、や商標法第6条第1項(指定された商品・役務の内容及び範囲が明確であること)等の要件が審査されます。

その上で、キャラクタを登録したい指定商品・指定役務を漏れなくカバーするように記載する必要があります。他方、グッズ等のように本来多くの区分にまたがってしまうものもあります。多くの区分の指定商品を指定すれば権利範囲は広くなりますが、区分数に応じて審査手数料や登録料等も高くなります。指定商品等の記載についてはビジネスとの関係も考慮する必要があります。

商標登録出願の願書を作成する

商標登録出願の願書は、法律上の権利を発生させるための書面になりますので、法律により記載様式も定められています。記載様式については特許庁のHPにも説明が公開されています。法律の規定に沿って、出願書類を完成させることになります。法律上の規定に沿っていない場合には補正指令等を受領することになります。

また、上記に詳細には記載していない他の商標登録の要件、例えば商標法第3条1項1号~6号、商標法第4条1項1号~19号等をクリアできない場合には拒絶されますので、願書作成時までにはこれらの検討を行う必要があります。

商標登録出願の願書を作成した後は、書類で特許庁に出願するか、オンラインで提出することになります。オンラインでの提出はセキュリティ確保等の関係上、事前に複雑な手続き等を経る必要がありますので、専門家に依頼しないと基本的には難しいことが多いです。専門家に依頼しない場合には、書類で特許庁に出願することになります、現在では書面で提出する場合には、特許庁に電子化手数料をさらに納付する必要があります。

まとめ

特許庁に対する商標登録出願の概要についてイメージができましたでしょうか。なお、こちらはあくまでも概要を説明したのみであり、実際にはさらに細かい検討を行います。例えば、調査で微妙な商標が発見されたらどうするか、どのような指定商品や指定役務を指定したらよいか、海外展開がある場合には外国の法律は日本と違いますし、条約も複数あります。専門家に依頼するメリットは大きいです。疑問点等がありましたらお問合せください。

キャラクターの商標登録に関する関連記事

目次