商標登録出願に関しては、官公庁での審査を経るために書類の形式の正確な理解や法律の正確な理解が必須となります。また、意図した内容の商標権を取得するためには専門家のサポートが欠かせません。どのような専門家に助言やアドバイス等のサポートを依頼するのがよいでしょうか。商標登録出願のサポートを依頼するときのポイントを以下に解説しています。
商標について官公庁への申請を代理できる代理人になれるのは弁護士か弁理士
商標について官公庁への申請を代理できる代理人になれるのは弁護士か弁理士です。法律により代理人になれるのは弁護士か弁理士と決まっているため、これら以外の資格では代理人になることはできません。
弁護士
弁護士の先生は、主に裁判や訴訟等の業務を扱っています。もちろん企業法務を扱っていらっしゃる弁護士の先生もおられるため、弁護士の先生に依頼するのもよいでしょう。弁護士の先生に依頼される場合には、知的財産や商標を扱っておられるかを確認されてみるとよいでしょう。
なぜなら、弁護士は、非常に多岐にわたる分野を扱うことができるため、知的財産や商標を専門に扱っていらっしゃらない先生も多いです。例えば、医療専門であったり、不動産専門であったり等です。知的財産や商標を専門に扱っていらっしゃらない先生では、商標の取得に関するアドバイスも限定的になってしまう可能性もあります。
予め裁判や訴訟等を見据えている場合には、弁護士の先生に早期にアドバイスを受けられるという点で、弁護士の先生に依頼される方がメリットがある場合もあります。
弁理士
弁理士は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権に関する法律の専門家です。一般の方にはなじみが薄いかもしれませんが、事業遂行のために必要不可欠な知的財産権を扱い、企業と共に仕事をしていることが多いです。弁理士の国家試験では、商標権は必須科目ですので、法律のみならず、審査基準、条約や判例まで、弁理士であれば専門的な知識を勉強しています。もちろん弁理士も、資格取得後に、大事務所等で特許専門や意匠専門等で仕事をされていらっしゃる先生もいますので、商標を扱っていらっしゃるかは確認された方がよいでしょう。
商標権を取得するための商標登録出願のプロセスや商標の類比判断等については、弁理士の先生が扱っていますので、質問してみるとよいと思います。類比判断については、確定的な判断が難しい微妙な判断になることもありますが、その中でもどのようにすれば商標登録が得られる可能性が高められるか、現状ではどの程度の登録可能性があるのか等を話し合えることも重要です。微妙な判断になるということが分かっていることでできる対策もある場合があります。
まとめ
以上のように、商標について官公庁への申請を代理できる代理人になれるのは弁護士か弁理士です。専門家ごとの得意分野を理解して、専門家を上手く利用されていきましょう。
商標調査のやり方や商標登録出願のやり方について、ご自身で勉強されて進められるのは大いに結構です。
プロの私共から見て、商標調査一つ、商標登録出願一つを取ってみても、商標は非常に奥が深く、勉強することは山ほどあります。微妙な判断で相矛盾するように見えるような審決例もあります。どんなご専門でもそうですが、素人の方が検討する内容と、プロが検討する内容とでは天と地の差があります。
商標についての疑問点やこうしたい等がありましたらプロである専門家に相談した方がよいです。身近に信頼できる専門家の方がいらっしゃれば、その専門家の先生に聞いてみればよいと思います。
商標権は、何十億円、何百億円というビジネスを止めるほどの威力を発揮します。専門家を利用してビジネスに有効な権利取得をされるのが賢明です。
顧問の弁護士の先生がいらっしゃる場合でも、知的財産は特許事務所に依頼したり、特許事務所を複数使うというのもよくあることです。専門家ごとの得意分野を理解して、専門家の助言やアドバイスを上手く活用していきましょう。
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