特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則等の一部の改正(施行日令和6年1月1日):国際出願手数料等の改正のポイントまとめ(2024年)

2024年1月1日(令和6年1月1日)より、PCT国際出願の国際出願手数料等が改訂されました。国際出願手数料の基本部分だけでなく、オンライン減額や、取扱手数料等も改訂になっていますので注意が必要です。PCT国際出願時に、中小企業やスタートアップ企業が利用できる国際出願促進交付金が終了すると共に申請不要の別手続に変更になっていますのでご注意ください。また、オンライン出願を行っている事業者は、国際出願の料金表のうち「基本料金表」が改訂になるため、「2分の1減額」や「3分の1減額」に対応する料金表を作成する必要があります。手数料改定でお困りの事業者は、いつでもご相談ください。

目次

国際出願関係手数料

PCTの国際出願関係手数料は、(1)送付手数料、(2)調査手数料、(3)国際出願手数料とを含んでいます。今回の改正では、(2)調査手数料のうち国際調査機関が欧州特許庁になる場合の調査手数料、(3)国際出願手数料の30枚までの基本部分や30枚を超える追加部分、オンライン減額等が改正されています。国際出願日が2024年1月1日以降の出願については改正後の金額で適正に納付する必要があります。

特許庁HP:https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/kokuryo.html

国際出願関係手数料に係る軽減適用

国際出願関係手数料に係る軽減適用は、中小企業やスタートアップ企業等を対象とした国際出願に係る手数料(送付手数料、調査手数料、予備審査手数料)の軽減措置によるものです。

PCT国際出願の国際出願手数料等の改訂は、国際出願関係手数料に係る軽減適用に関しても重要です。

例えば、中小企業(会社)に該当する場合、(1)送付手数料、(2)調査手数料、(3)国際出願手数料が1/2に軽減されます。

中小スタートアップ企業(法人・個人事業主)に該当する場合、(1)送付手数料、(2)調査手数料、(3)国際出願手数料が1/3に軽減されます。

このとき、改正後の(3)国際出願手数料の金額から計算を行い、計算の結果端数が生じる場合には法律で定められた規則により切り捨て処理して適正金額を算出しないといけません。手数料が不足すれば手数料補正等のさらなる手続きが必要となる可能性があります。手数料が多ければ過誤納の扱いとなり、返還のためには既納手数料返還請求書等のさらなる手続きが必要となる可能性があります。

国際出願関係手数料に係る軽減申請書は、願書の提出と同時に提出する必要があります。PCT出願時には注意が必要です。

2023年12月末までの国際出願促進交付金の交付申請手続は1月1日以降の出願に関しては不要となる

PCT国際出願時に、中小企業やスタートアップ企業が利用できる国際出願促進交付金は、2023年12月末をもって終了し、2024年1月1日以降は、申請不要の別手続に変更になります。すなわち、上述の軽減措置の申請手続を行えば、国際出願手数料等についての支援措置の申請も行ったことになります。従来の国際出願促進交付金の交付申請手続は、出願人の便宜のためではありますが、やや複雑な手続きとなっていました。今後は、手続きがややシンプルになりますが、手続きの違いについて理解しておく必要があります。

オンライン出願での国際出願の料金表

オンライン出願での国際出願の料金表の改定も実務的には重要です。こちらはオンライン出願ソフト上での設定が必要になりますので個別にお問合せください。

まとめ

以上、PCT国際出願の国際出願手数料等の改訂についてポイントをまとめました。2024年1月1日(令和6年1月1日)以後の国際出願日が付く出願についてはご注意ください。PCT国際出願は、海外への出願を検討する上で非常に重要な選択肢となります。費用だけにとらわれることなく、出願戦略や出願内容についても十分な検討が必要であり、これらを考えるためには、日本の法律、現地の法律、外国に出願するための複数の条約、の理解が必要不可欠です。弊所は米国を中心に海外出願を積極的に取り扱っていますのでお気軽にご相談ください。

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