ご当地キャラクターや自社キャラクターを、ビジネス上で使いたい、新たに考案した、という事業者が考えるべきポイントを概説しています。ご当地キャラクターや自社キャラクターは、図形として目立ちますし、消費者の年齢層を問わずに認知も向上することが多いためビジネス上で使用される機会も多いです。ご当地キャラクターや自社キャラクターについて、商標の観点でどのようなことに注意するべきかを以下にまとめています。
第3者によりキャラクターの図形が商標登録されていないか
ご当地キャラクターや自社キャラクターを、使うことを考える場合には、第3者により同一又はキャラクターの図形が同一類似のサービス等に対し商標登録されているか、又は商標登録される可能性がないかの点について注意が必要です。
第3者により同一又は類似のキャラクターの図形が同一類似のサービス等に対し商標登録されている場合には、そのキャラクターの図形を、同様のサービス等に対して、使用できない、又は使用できなくなるかもしれないリスクが出てきます。
ご当地キャラクターや自社キャラクターを生み出して、これをお土産や商品等に付して出所を示す表示として機能させたい場合には、第3者に先に取られていないかの注意が必要となります。
キャラクターの図形での商標登録出願
ご当地キャラクターや自社キャラクターの図形については、先に商標登録出願した者が、商標登録を受けることができます。第3者により同一又は類似のキャラクターの図形が同一類似のサービス等に対し商標登録されないためには、自身が先に商標登録出願をすることが必要となります。商標登録が認められた場合には、登録料、更新料等を支払うことにより、半永久的に登録を継続することができます。いまだ商標登録を行っていいない場合には、商標登録を検討することも一案です。
商品の名前とキャラクターの図形との両方の商標登録
商品の名前とキャラクターの図形とは、商標法のもとでは、原則的には別々の商標として守る考えになります。商品の名前とキャラクターの図形との両方を併用して使用する場合には両方の商標登録を行う方が包括的で漏れの無い権利取得が可能になります。例えば、SNS等では文字の商品の名前の方が使用しやすい、特定の商品にはキャラクターの図形のみ使用する等の併用パターンも考えられます。
また、キャラクターの図形の文字の読み方が、商品の名前と同じ読みとして読めない場合、又は読みにくい場合には、キャラクター(図形商標)と商品の名前(文字商標)とは非類似と考えられる可能性が高くなります。従って、一方のみの商標登録で他方の商標をカバーできなくなります。このような場合には、両方の商標登録を行うメリットが大きくなります。
同じ商品に、商品の名前とキャラクターの図形との両方を併用して使用することはよくあります。従って、両者を登録しても問題ありません。商品の名前とキャラクターの図形との両方を商標登録しておけば、例えば第3者が商品の名前のみを変えても、キャラクターの図形が類似していれば、第3者のキャラクターの図形の商標の使用を制限できる可能性が高くなります。
また、ある商品には、商品の名前のみを記載する、別の商品には、キャラクターの図形のみを記載する等の使用を検討している場合にも、片方のみでは守れない商品がでてくるので、商品の名前とキャラクターの図形との両方を別々に商標登録するメリットが大きくなります。
キャラクターが様々なポーズをとる場合の商標登録
キャラクターが様々なポーズをとる場合にはどのように商標登録をすべきでしょうか。基本的には、一番基本的な姿勢やポーズのキャラクタを商標登録します。商標権は、商標が同一又は類似の商標の使用にまで効力が及びます。商標が類似かどうかは、外観・称呼・観念の3要素が類似するかどうかが大きく影響します(類否判断は別記事を参照ください)。外観・称呼・観念を基にして、商標登録したキャラクタと、同一又は類似のキャラクタと言える範囲であれば、商標登録により守ることができます。このように、商標登録するキャラクタは、代表的な姿勢やポーズであったり、キャラクタの特徴がよく出ているものを選ぶべきです。
まとめ
このように、ご当地キャラクターや自社キャラクターの図形の商標についての保護を図ろうとすると検討すべきことが沢山あります。 ご当地キャラクターや自社キャラクターの図形の商標についてどのような商標登録出願ができそうか、又はそれぞれのメリットやデメリットも考慮してどのような商標登録出願をすべきかを検討します。
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