対談企画第1回:社労士 小川先生 × 弁理士 藤木 fujikipat mediaリポート

藤木:本日は、社労士の小川先生に弊所(藤木国際特許事務所)にお越し頂いて対談をさせて頂いております。

小川:よろしくお願い致します。

藤木:よろしくお願い致します。小川先生は社労士として活躍されていらっしゃいます。まずは、小川先生の事業についてお伺いします。事務所はどちらの方でやられていらっしゃいますか。

小川:栃木県の宇都宮で開業をさせていただいております。

藤木:より具体的にはどのような事業をやられていらっしゃるのか、教えて頂けますでしょうか。

小川:企業における重要な要素、人、物、金、情報のうち、人に関することのご支援をさせていただいております。例えば、従業員と経営者のトラブルの解決や従業員の採用のお手伝いをさせていただくこともあります。

藤木:社労士の先生は、労務に関する問題を解決されるイメージはありますが、採用に関する点ではどのようなことをされていらっしゃるのでしょうか。

小川:募集で人が集まらない場合には、求人票の書き方や求人をかける媒体のアドバイスをさせていただきます。また、応募が来たらどのような選考をしたらよいのかも一緒に検討をさせていただきます。社員数50人規模の会社でも募集・選考に詳しい従業員があまりいらっしゃらないことが多いです。そのような場合には、選考時に一緒に面接に入らせていただくこともあります。

藤木:なるほど、社労士の先生は企業内の人に関することを取り扱っておられるということでしたが、採用のプロセスでもノウハウをお持ちなのですね。

小川:せっかく入社してくれた従業員がすぐに辞めてしまうと会社にとっては大きな打撃となります。そのようなことを防ぐために、選考段階で慎重な見極めが必要であり、そのお手伝いをさせていただきます。

藤木:採用プロセス以外のサポートとしてはどのようなことをやられていますか。

小川:いわゆる社会保険の手続きを行います。農業や宗教等を除き、5人以上になると個人事業主でも社会保険に加入義務があります。その社会保険の申請や届出を私たちが代行して行い、会社様は本業に集中していただくということです。

藤木:お客様はスタートアップからというよりは社員数が5人以上になってくるような企業様が主な対象となる感じでしょうか。

小川:創業メンバープラス何人かで5人以上になってくるあたりからが社労士の出番が多くなるイメージです。ただ、法人化すると人数にかかわらず適用になりますので注意が必要です。創業したばかりの企業では、総務や経理の為にわざわざ人を雇うことは難しいと思います。そのときに私たち社会保険労務士が面倒な手続きを会社に代わっておこなわせていただきます。

藤木:なるほど、スタートアップでもすぐに社労士の先生のお手伝いが必要となるケースがあるのですね。ところで、小川先生は、特異な分野とか主に取り扱う分野はありますか?

小川:前職の企業で人事を経験させていただきましたので、人関係の問題解決や社内の制度の構築を得意にしています。例えば、「会社の規則を作りたい」「職場でパワハラの問題が起きた」などが対象になります。

藤木:残業代がでない、ボーナスがでない、有給がない等の問題解決に対しては、就業規則を策定したり等もされますか、私は、弁理士として特許や商標に関する問題解決を行っていますが、特許の職務発明規定の導入と、就業規則の策定等とは社労士の先生と同じようなタイミングで入って作業することもできるのではないかと思っています。

小川:従業員数10人以上の会社は就業規則作成の義務があります。作成時に難しいところがあれば、専門家の意見を聞いて作成に至ることもあります。

藤木:ということは就業規則を作るタイミングで、職務発明規定の導入までタイミングを合わせて一緒にやれたりする可能性もありますね。

小川:会社の経営者が就業規則の作成義務を知らない場合があり、作成しないまま会社が大きくなっているケースもあります。

藤木:そのようなケースでは、職務発明規定の導入まで一気に行うメリットが出てくるかもしれませんね。就業規則の策定は手間がかかる分、忙しい経営者側もあまり積極的に取り組みたくないということもあるのでしょうか。

小川:就業規則の策定に消極的な経営者もいらっしゃいます。しかし、ルールを定めておくと、従業員が規則によって判断ができるため、仕事の効率が上がると考えられます。

藤木:職務発明規定の制定では、相当な利益を報酬等に反映することも可能ですが、その場合に協力して規定を整備することも可能でしょうか。

小川:もちろん可能です。

藤木:実績報奨金をどのように設定するかは、発明の売り上げに対する寄与度合の算定が難しいところですね。企業側の営業努力等もありますし。

小川:そうですね、企業側から見れば、発明者をサポートしてきた環境が無ければ発明が生まれなかったという考えもありそうですね。

藤木:実績報奨金をどのように設定するかは、売り上げに対して段階的に金額を設定する等算定方法は様々ありますが、企業側が毎年すべての発明に対して売り上げを計算して発明者に報償金を支払うという管理負担も大きいですので、実績報奨金はそのあたりの管理負担も考慮すべきかと思います。

小川:実際にいつまで支払うのかという問題もありそうですよね。

藤木:おっしゃる通りで退職後に実績報奨金を元従業員に支払い続ける管理負担は非常に懸念されるところなので、特許庁のガイドラインでも退職時に相当の利益を一括で与える方法も可能であると示されています。

小川:特許の権利期間は何年ですか。

藤木:特許権の存続期間は特許出願の日から20年ですね。

小川:なるほど、たしかにかなり長期間ですし存続期間の途中で退職することになる場合、退職時に相当の利益を一括でもらうという選択肢もありそうですね。基本的に法律で定めのない場合は規則で決めてあればそちらが適用になりますので、トラブルを防ぐために決めておかれるとよいと思います。

藤木:なるほど、職務発明規定の導入については、就業規則の策定や報酬規程の策定、従業員と会社との意見が対立したとき等、色々な局面で社労士の先生と協力したりできるかもしれませんね。また実際に導入していくとさらに細かな事例等も皆様に共有できそうな気がします。小川先生、本日はお忙しい中、弊所までお越しいただいてありがとうございました。

小川:ありがとうございました。

小川先生の気さくな雰囲気もあり、とても相談しやすく、終始和やかな雰囲気で対談することができました。社労士×弁理士のコラボの可能性も探ることができて大変有意義でした。ありがとうございました。労務関係でお悩みの事業者様、気軽に相談に乗ってくださる社労士の先生をお探しの事業者様には小川先生をご紹介できますのでお気軽にお問合せください。

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