【特許・商標等の外国出願の補助金】一般社団法人発明推進協会の中小企業等海外展開支援事業費補助金について

特許や商標等の外国出願に係る費用は、翻訳費用、現地代理人費用、現地対庁費用等が累積し、比較的高額になることが多くなります。このため、特許・商標等の外国出願の補助金は、各事業者にとって大変有力な補助となります。本年度から、一般社団法人発明推進協会の運営による、中小企業等海外展開支援事業費補助金事業がスタートしています。詳細は、以下の一般社団法人発明推進協会の募集要項を確認頂ければと思います。一般社団法人発明推進協会の方でこのような有益な事業が行われるのは本年度からなので、概略の抜粋のみを記載してご紹介しています。以下の紹介は抜粋ですので、申請される際には必ず以下のHPの発明推進協会の要綱をご確認ください。

一般社団法人発明推進協会 「中小企業等海外展開支援事業(令和6年度)」ご案内

https://www.jiii.or.jp/kaigai-hojo/index.html

目次

補助対象の概要

海外における発明、商標等の権利化のための出願手続費用等が対象となっています。

なお、助成対象となるためにはさらに詳細な要件が規定されていますので、外国出願が全て対象となるわけではありませんのでご注意ください。

また、上記以外にも中間応答等も補助対象となる場合があります。要綱を確認されてください。

申請書受付期間

補助金の対象となるためには、以下の期間中に申請書を提出する必要があるのでご注意ください。

<出願手続>
・第1回:2024年5月30日(木)~6月14日(金)12:00
・第2回:2024年8月19日(月)~8月30日(金)12:00
・第3回:2024年11月18日(月)~12月3日(火)12:00

申請者要件(単独要件)

申請者は、以下(1)~(4)のすべての条件を満たしていることが必要

以下、概略の要件のみを記載、詳細は自己責任で要綱をご確認ください。

(1)中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等、国際出願関係手数料に係る軽減・支援措置対象である者。
(2)現地代理人からの請求書等、補助金受給に必要な書類提出について、外国特許庁への手続業務を依頼する国内弁理士等(選任代理人)の協力が得られる者又は自ら同業務を現地代理人に直接依頼する場合には、同等の書類を提出できる者
(3)本事業実施後のフォローアップ調査の提出等に協力する者
(4)暴力団関係企業、違法な行為又は不正な行為を行った者、経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者、その他事務局が不適当と判断する者でないこと

通常は、一般の方が外国出願の仕組み等を理解して自身のみで外国出願を遂行することは難しく、その場合には、外国出願に関しサポートしてくれる国内弁理士等がいることも要件となっています。

助成対象となる外国出願

<出願手続>
以下(1)~(5)の条件をすべて満たしている外国出願が対象となります。

以下、概略の要件のみを記載、詳細は自己責任で要綱をご確認ください。

(1)出願内容
既に日本国特許庁に行っている出願(日本国特許庁を受理官庁とするPCT国際出願を含む。)と同一内容(発明・商標・デザイン等の名称及び内容)で行われる出願

(2)出願方法

国内出願を基礎として行ったPCT国際出願を外国の国内段階に移行する方法等が規定されています。

(3)出願人名義

既に日本国特許庁に行っている出願と同一の名義で行われる出願

(4)日程

交付決定通知受領後に代理人等に正式発注し、実績報告書提出期限までに外国特許庁への手続き、代理人等への支払いを行い、実績報告書・証憑書類の提出を完了できる出願

(5)審査請求・中間応答等については所定の条件を満たすこと

助成対象経費

・外国特許庁等への納付手数料
・現地代理人費用
・国内代理人費用
・翻訳費用
  ※ただし、交付決定前に着手していないことが条件です。

補助率・補助上限額

補助率:助成対象経費の2分の1以内

補助上限額:出願手続 1法人(又は1個人)当たり300万円以内

1申請案件当たり
  a. 特許出願150万円
  b. 実用新案登録出願、意匠登録出願又は商標登録出願60万円 等

その他の留意事項

その他、公費等による支援との重複申請の禁止等の規定がありますのでご注意ください。

まとめ

一般社団法人発明推進協会の運営による、中小企業等海外展開支援事業費補助金は、うまく活用できれば、外国出願を希望する事業者にとって有用な制度の一つです。活用に際しては身近な専門家にご相談されてみるとよいと思います。

以下には、外国出願に関連する記事等も掲載しています。必要に応じてご活用ください。

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