スポーツビジネスに関する権利ビジネスのうち商標権のポイントを解説

スポーツビジネスに関する権利ビジネスにおいては、試合の放映権、スポンサーの権利、選手の肖像権等様々な権利が重要となります。スポーツビジネスとして利益を上げていくために、さまざまな権利が重要です。そして、そのような権利の中で、商標権も非常に重要な役割を果たします。チーム名、チームロゴ、チームマーク、チーム旗、マスコット名称、ユニフォーム、グッズ等、さまざまな名前やロゴ、キャラクタ等を守り、正規販売事業者がビジネスをコントロールする必要があるからです。例えばサッカーのJリーグに加盟する条件としてクラブの名称、ロゴ、エンブレムの商標登録等が要求されていることからも、スポーツビジネスにおける商標権の重要性が分かります。

目次

チーム名、球団名に関する商標登録

チーム名、球団名に関する商標登録は、商品やサービスの目印として使用されます。チーム名、球団名に関する商標登録は、スポーツチームにとって最も重要な商標登録となる可能性があります。チーム名、球団名が第三者に取られてしまうと、事業活動に制約がでたり、最悪の場合チーム名の変更も検討せざるを得ない可能性があります。チーム名、球団名が付されるグッズについては非常に広い展開が考えられ、指定商品が多くの区分にまたがってしまうことから注意が必要なポイントです。また、有名になればなるほど、模倣品対策等も必要になるという傾向があります。

チームロゴやチームマークに関する商標登録

チームロゴは、図形である分、チーム名、球団名の文字に比べれば、使用頻度が落ちる場合もあります。他方で、チームロゴは、図形である分、言語が変わっても共通に認識しやすい、子供等にも浸透しやすい、文字と違って親しみを与えやすい等の特徴もあります。商標登録を取得していれば、普段の取引では商標権を有償で使わせる一方、地元産業の支援のため、地元の企業には、ロゴを無償で使わせる等のコントロールもしやすくなります。

チーム旗やチームフラッグに関する商標登録

チーム旗やチームフラッグ等は、サッカーをはじめ、応援の一体感を出すツールとして多くのスポーツに導入されつつあります。応援の一体感を高めるため、チーム旗やチームフラッグ等を付したグッズ販売を行う場面も増えています。サポーターの愛着が湧くデザインが採用され、サポーターの認知度を高める過程では商標登録も検討対象になります。

チームマスコットやチームキャラクタに関する商標登録

チームマスコットやチームキャラクタの名称やイラスト、図形等は、近年、商標登録が盛んにおこなわれています。チームマスコットやチームキャラクタは、老若男女問わず愛着が湧きやすく、グッズ展開やイベントでも頻繁に使用されます。従って、商標登録の重要性は比較的高くなることが多いです。チームマスコットやチームキャラクタは、平面図形にとらわれず、着ぐるみ等への立体的形状への展開もあるという特徴があります。

キャラクターの商標登録のメリット

例えば、マスコットやキャラクターを商標登録していれば次のようなメリットがあります。もちろん、ロゴや他の名称等についても同様のメリットがあります。

① キャラクターの商標を第三者に勝手に使用されるのを防ぐことができる。

もし商標登録がなかったら、キャラクターの図柄や名前等を第三者に容易に真似されてしまう可能性があります。商標登録をすることにより、商標を第三者に勝手に使用されるのを防ぐことができます。

キャラクターの商標が第三者により勝手に商標登録されるのを防ぐことができる。

商標登録制度はいわゆる「早い者勝ち」の制度となっています。第三者が御社の商標と同じ商標を先に商標登録してしまうと、せっかく使ってきた商標を変更する必要がある場合もあります。このような事態を防ぐことができます。

③ 他人の商標権を侵害することを防ぐことができる。

キャラクターの商標登録がなされた場合には、特許庁が図形の外観に関して審査をして、既に存在している他人の商標権と抵触しないと判断したことになります。従って、キャラクターの商標登録をしていれば、原則的には、知らないうちに他人の商標権を侵害していることを防ぐことができます。

商標登録のメリット・デメリットをもっと知りたい場合

まとめ

スポーツビジネスの権利・権利ビジネスのうち商標権についても、さまざまな名称やロゴ、キャラクタ等を守るために活躍します。ライセンス収入等が入るような場合には、資産としての価値もより明確になります。スポーツビジネスの重要な一部を商標権が担っています。スポーツビジネスにおける商標登録に関して疑問点等ありましたら、スポーツビジネスネットワークにも参加している弁理士にいつでもお気軽にご相談ください。

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