果物、果実、フルーツ等の商標登録の重要性

果物、果実、フルーツ等の商標登録の重要性が増しています。この記事では、果物、果実、フルーツ等の商標登録の考え方や重要性、指定商品等が分かります。

目次

「商標」とは?

商標とは、分かりやすく言えば、商品やサービスを区別するための目印です。例えば、商品名、会社名、商品やサービスのロゴ等が商標として使用される場合があります。

果物、果実、フルーツ等に付される商標は、例えば、ブランド名を示す商標、生産者を示すロゴや社名等があります。

例え果物、果実、フルーツを買うときに果物、果実、フルーツの包装に付されたロゴ等の商標を見て、どこの会社が生産したものかを区別して購入します。このように、商標は商品やサービスを区別するための目印として使われます。

商標には長年の使用により信用が蓄積されます。

従って、消費者は、商標を見て、この商標が付いている製品なら品質が保証されているだろうと信用して買うこともあります。

商標はこのような機能を有しており、商標が商標法の規定に沿って商標登録制度により登録されています。

商標登録のメリット

① 商標を第三者に勝手に使用されるのを防ぐことができる。

もし商標登録がなかったら、社名やブランド名等を第三者に容易に真似されてしまう可能性があります。すると、自社がこれまで商品を売って築いてきた「信用」に乗っかり第三者が商売をできることになります。

例えば、果物の場合だと、他の生産者が生産物に人気のブランドのロゴを無断でつけて販売する可能性があります。

さらに、低品質な偽物が同じ商標を付して出回った場合、 築いてきた「信用」が損なわれるという損失が生じる場合もあります。本家にクレームが入るなんてこともあります。

商標登録をすることにより、商標を第三者に勝手に使用されるのを抑制することができ、このような状況が生じることを防ぐことができるのがメリットになります。

② 商標が第三者により勝手に商標登録されるのを防ぐことができる。

商標登録をしていない場合、自社の商標(会社名やロゴ、サービス名等)を第三者に商標登録されてしまう可能性もあります。商標登録制度はいわゆる「早い者勝ち」の制度となっています。つまり、先に出願した者が商標権を取得することができます。

第三者が御社の商標と同じ商標を先に商標登録してしまうと、以後は、原則として、御社の使用は、その第三者の商標権を侵害することになります。従って、長年使ってきた商標を変更する又はその商標権をお金を買い取る等の苦渋の選択を迫られる場合もあります。なお、先に使用していたから使い続けたいという先使用の主張は周知性のハードル等があり基本的には難しいことが多いです。

このような事態を防ぐことができるので、自社の商標(会社名やロゴ、サービス名等)を商標登録しておくメリットがあります。

③ 他人の商標権を侵害することを防ぐことができる。

商標登録がなされた場合には、特許庁が審査をして、既に存在している他人の商標権と抵触しないと判断したことになります。従って、商標登録をしていれば、原則的には、その商標を登録した態様で安心して使い続けることができます。

他方、商標登録をしていない場合、特許庁の判断を受けていないので、このような安心を得ることはできません。御社の商標と同じ商標や類似の商標を、他人が先に登録している可能性もあります。従って、「商標を使用していたら、実は他人の商標権を侵害していた」というリスクが残っている可能性があります。他人の商標権を侵害すると、差止請求や損害賠償請求をされる可能性があります。またこのような訴訟を提起された事実が広まれば取引先や顧客の信用がガタ落ちとなる可能性もあり、昨今では、ネットで炎上してしまう可能性もあります。

商標登録を得る事により、このようなリスクを極力排除するメリットがあります。

果物、果実、フルーツ等の商標登録の重要性

果物、果実、フルーツ等に関しては、生産のための手間や経費がかかり、農作物の単価も比較的高くなります。特に、国産の果物、果実、フルーツ等に関しては、ブランド化して、品質の差別化を図ったり、価格競争力を維持したり等も重要です。

従って、ブランドを保護するためにも、商標登録の重要性が増してきます。

つまり上記の商標登録のメリットだけでなく、さらに、ブランドを育てる柱としての商標登録という意味合いが出てきます。

さまざまな重要性については、お問合せください。

商標権について

なお、商標登録をすれば、「商標権」という法律上の権利が発生します。

商標登録がなされると、第三者は、登録した商品やサービスに対し、その商標を使用できなくなります、すなわち商標権者が商標の指定商品等に対する使用を独占できるようになります。

ここで、注意しておかなければならないのが、商標権は、「商標」×「指定商品(又は指定役務)」のセットで一つの権利となっているということです。

「商標A」を指定商品「自転車」に対して登録した場合は、商標権の権利範囲は、「商標A」を自転車に使用する行為に及びます。しかしながら、この商標権の権利範囲は、「商標A」を「清涼飲料水」に使用する行為には及びません。「商標A」を「清涼飲料水」に使用する行為も商標権に含めたい場合には、指定商品「清涼飲料水」も指定する必要があります。

このように「指定商品」を広く指定すれば、商標権の権利範囲は広くなります。

他方、「指定商品」を広く指定し、特許庁の定めた「区分」が広範囲となると、特許庁の手数料及び弁理士の準備費用等も増加することになります。

従って、「指定商品」の範囲についてもよく検討する必要があります。

果物、果実、フルーツ等に関する指定商品について

果物、果実、フルーツ等に関する指定商品は、例えば、第31類の「果実」です。

しかしながら、昨今では、果実を加工してさまざまな加工品を作って販売する場合があります。

お菓子であれば第30類「菓子」、ジュースであれば第32類「果実飲料」もあり得ます。

また、通信販売をしたり、お店をやったりする場合もあります。

インターネットサイト上で加工食品を通信販売するのであれば、第35類「加工野菜及び加工果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等も考えられます。

ここで注意すべきなのは、指定商品の指定の仕方で、権利の範囲が変わってしまうところです。

適当に指定すると思った範囲の権利が取れていないという事態も起こり得ます。

格安の事業者に依頼するとこの辺りの検討が十分になされない場合もあるので、御社のさまざまな事業の形態について、きちんとヒヤリングをした上で、指定商品を検討してくれるパートナーが重要です。

海外での商標登録の重要性

昨今、日本の果物、果実、フルーツ等に関しては、世界的にブランドとしての価値が高まっています。

海外に出荷される量も増えていることは好ましいのですが、海外でブランドの保護がなされていないために、海外でロゴや名前の偽物が出回ったりする事例もでています。

海外のマーケットは非常に大きいですので、上手くブランドを守りながら、本家の製品を売る手法として、海外の商標登録も重要性が増しています。

海外での商標登録には、各国の法制度の理解、現地代理人との提携、各国に至るまでの条約の制度の理解等、対応してくれる専門家のサポートが必要です。

海外にも対応していて相談しやすい専門家ということでしたらぜひ弊所をご検討ください。

まとめ

果物、果実、フルーツ等の商標登録については重要性が増していますので、もし商標登録をされていないということであれば専門家に相談されることをお勧めいたします。

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