法改正関連:「不正競争防止法等の一部を改正する法律」の法改正に伴い2024年1月1日より電子特殊申請の手続きがスタートしています。電子特殊申請の手続きによれば、これまでオンライン出願できなかった原則全ての書面申請手続をオンラインで提出できるようになります。
電子特殊申請の概要
特許庁の説明「電子特殊申請の概要」等によれば、送付票と呼ばれる書誌情報を作成し、その送付票に申請書類や添付書類をPDFの形式で添付することで、送信対象の書類一式を作成して特許庁へ送信するとあります。出展:特許庁HP https://www.jpo.go.jp/system/process/shutugan/pcinfo/outline/procedure/tokusyu.html
2024年に特許庁が始業してから約1週間、電子特殊申請を行ってみた使用感について気付いたことをまとめます。まだ運用開始から営業日ベースでは約1週間しか経過していないため全ての手続きを経験したわけではありませんが、企業等で初めて電子特殊申請に取り組む方のお役に立てば幸いです。
電子特殊申請の対象書類であるか
そもそも、電子特殊申請の対象書類であるかの注意が必要です。「「出願」「請求」「国際出願」タブで提出できる書類を添付した場合、方式審査で却下される場合があります」、同様の警告表示は、オンラインソフト上に出ています。
電子特殊申請は、これまで書面でしか特許庁に提出できなかった手続の電子申請ですから、提出しようとしている書類が電子特殊申請の対象となっている書類であるか否かについてはきちんと確認が必要です。
特許庁HP:電子特殊申請対象書類一覧(https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/shinsei_digitalize.html内に記載)で対象書類を確認できます。この書類一覧によれば約400の書類が該当しているようです。
電子特殊申請の送付票
電子特殊申請の送付票をどのように準備するのかのイメージが最初に掴みにくかったのですが、オンライン出願ソフトの、「出願」・「発送」・・・「国際出願」の隣のタブに「特殊申請」という項目があり、「特殊申請」のタブで「新規作成」を選ぶことによりオンライン出願ソフト上で「送付票」を作成します。
従って、電子特殊申請の送付票は、事前に準備するのではなく、オンライン出願ソフト上で作成します。
なお、電子特殊申請のやり方については、電子出願ソフトサポートサイトの「サポート」>「操作マニュアル」>「VI.操作編」の277ページに第6章「特殊申請」という項目が追加されており、こちらに説明があります。
送付票作成時に注意すべき点の一つとしては、作業途中で保存できない点です。従って、送付票に入力する情報、添付するPDFファイル等は事前に準備が必要です。
筆頭文献
「送付票」の記載項目中に「筆頭文献」を添付する場所があります。「物件提出書」のように他の提出物件を提出するための筆頭の文献を筆頭文献により指定します。指定する際には、同じ筆頭文献名が複数の書類カテゴリにある場合があるので注意が必要です。筆頭文献となる物件は、予めPDF化しておく必要があります。添付したPDFはそのまま提出されます。
筆頭文献作成時に注意すべき点としては、筆頭文献に記載されている手続者の氏名又は名称と、送付票に記載されている送信者識別番号に紐づく氏名又は名称が不一致の場合、手続が却下される可能性があるとの警告が表示されます。筆頭文献に記載されている手続者(例えば代理人)の氏名又は名称と、送信者識別番号に紐づく氏名又は名称とが必ず一致することを確認する必要があります。
添付物件
添付物件は、一つずつの添付物件に対しPDFを作成して添付する必要があります。筆頭文献を添付すると、筆頭文献内に記載された添付物件が選択できるようになります。添付したPDFはそのまま提出されます。
「電子特殊申請」の使用感まとめ
電子特殊申請の送付票のイメージや作成方法が分かれば、電子特殊申請のイメージが大分つかみやすくなるように感じました。「出願」「請求」「国際出願」タブで提出できる書類を添付しないようにする点にも注意が必要です。現在のところ、まだ施行してから1週間程度の営業日しか経過していませんので、今後のさまざまな情報の開示にも注目です
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