法改正:不正競争防止法の改正(施行日令和6年4月1日)のポイントまとめ(2024年)

2024年4月1日(令和6年4月1日)より、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」の施行により不正競争防止法の改正が施行されます。具体的には、商品形態の模倣行為につき、デジタル空間における他人の商品形態を模倣した商品の提供行為も不正競争行為の対象となります。デジタル空間(例:メタバース)における経済取引が活発化してきている昨今において、フィジカル/デジタルを交錯する模倣事例に対応する、「商品」に無体物を含める、等の目的で改正がなされています。

目次

改正後の不競法2条1項3号

改正後の不競法2条1項3号は、「他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、輸入し、または電気通信回線を通じて提供する行為」と規定されています。

改正においては、このように、形態模倣商品提供行為に「電気通信回線を通じて提供」する行為が追加されると共に、逐条解説等において、「商品」に無体物が含まれると記載され、不競法上の「商品」の概念には、「無体物」が含まれるとの解釈が明確化されることとなります。そして、デジタル空間内での販売等にも不競法2条1項3号の適用があることが明記されたことになります。

以下、不競法2条1項3号の要件について確認的に記載しています。

「商品の形態」

「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいう(不競法2条4項)。なお、当該商品の機能を確保するために不可欠な形態は除かれる(不競法2条1項3号)。改正において、不競法上の「商品」の概念には、「無体物」が含まれるとの解釈が明確化されることとなる。

「模倣する」

「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう(不競法2条5項)。よって「実質的に同一の形態」、すなわち「デッドコピー」又は実質的にこれと同視できるものが対象となります。形態が似ているものの、実質的に同一とまでいえない場合まで禁止するものではない。

日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品でないこと

なお、形態模倣商品の提供行為に係る不正競争の保護期間については、「日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為」には適用しない(不競法19条1項5号イ)との規定があります。

「最初に販売された日」とは、逐条解説等では、投下資金等の回収活動が外見的に明らかになった時点と考える説が多い。

このように、不正競争防止法の形態模倣商品の提供行為については、「日本国内において最初に販売された日から起算して三年」という比較的短い間において適用される点には注意が必要である。

まとめ

以上、法改正:不正競争防止法の改正(施行日令和6年4月1日)についてポイントをまとめました。改正後の不競法2条1項3号の形態模倣商品提供行為が、メタバース空間内の商品提供にも及ぶことが明確にされた点で重要な改正となります。

令和5年には他にも多くの改正がなされていますので必要な場合には関連記事をご確認ください。

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