YouTubeのチャンネル名、動画投稿サイトのチャンネル名等は商標登録をしておいた方がよいか

昨今、YouTuberとして成功することを目的とする方のみならず、会社の情報発信、商品の販売戦略、自身の知名度アップ、会社の営業ツール等様々な目的でYouTubeや動画投稿を行う方も増えています。そこで、商標に関してこんな質問が増えています。

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YouTubeのチャンネル名、動画投稿サイトのチャンネル名、インスタグラムの投稿サイト名、ツイッターの投稿者名、TikTokのチャンネル名等を商標登録しておいた方がよいか

このような質問を頂くことがあります。

結論としては、自己の業務に関して使用をする場合には商標登録をしておいた方がよいです。

自己の業務、例えば個人事業としてYouTubeから収益を得たり、広告収入で稼ぐなど、ビジネスとして使用しているのであればなおさら、商標登録をしておくべきです。理由を以下に述べます。

商標登録をしておいた方がよい3つの理由


1つ目は、自分が使用しているYouTubeのチャンネル名を第三者に商標登録されてしまった場合、そのチャンネル名を使用できなくなるからです。趣味で少しやっている程度ならまだしも、多くの時間をかけて多数のフォロワーを獲得してきた努力がチャンネル名変更により水の泡となる可能性があります。チャンネル名の表記ならず商標登録された用語を使用している動画も内容の変更や削除等の対応をしなければならない可能性もあります。

2つ目は、YouTubeのチャンネル名を商標登録しておけば、第三者が同じ名前でチャンネル名を使用している場合に、同じ名前の使用をやめさせることができるからです。昨今では、YouTubeやツイッター、SNS等でも商標権侵害となる事業者の使用に対し、動画の削除やアカウントの凍結等非常に厳しい措置を取ります。自身が商標権者であれば、このような申し立てを有効に活用することもできます。

3つ目は、商標を使用していたら、実は他人の商標権を侵害していた、というリスクを減らすことができます。商標登録がなされたということは、特許庁が審査をして、既に存在している他人の商標権と抵触しないと判断したことになります。従って、商標登録ができていれば、原則的には、その商標を登録した態様で安心して使い続けることができます。

何を商標登録した方がよいのか

ではYouTubeの動画配信等を行う事業者は、何を商標登録した方がよいのかを説明します。
原則的には、商品やサービスを提供する際の目印となるものが商標として機能しているので、商標登録をする優先順位が高いと考えます。

例えば、YouTubeにおいては、チャンネル名、ハンドルネーム・グループ名・社名、ロゴ等が主に考えられます。

自社のサービスと他社のサービスとを区別する商標として機能していれば、商標が表示されている場所は問いません。YouTubeのチャンネル名表示部分、サムネイル画像、動画中、動画の説明欄等であっても商標として機能する場合があります。ハッシュタグやドメイン名での使用も商標に該当する場合があります。何を登録すべきか迷った場合には、ご相談ください。

商標登録に当たっての注意点

YouTubeのチャンネル名等がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとして登録を受けられない場合があります。分かりやすく内容を示すようにチャンネル名を付けていると、かえって商標登録を受けられないという場合もありますので事前にご相談することをお勧めします。

他にも商標登録に当たっては注意点が多くあります。迷った場合には、このような注意点を相談できる弁理士に相談されることをお勧め致します。商標登録に関して少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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